女「馬鹿にするんじゃないわよ!」
男「えらく怒ってるね」
女「怒るわよ。4時間も遅刻ってどういうつもり?」
男「まぁね」
女「まぁね?まぁねって何よ。まぁねって何」
男「怒るなよ。かわいくもない」
女「かわいい方よ!だいたい連絡もなしで!携帯は、携帯」
男「持たない主義」
女「持ち歩きなさいよ。持ってんだから」
男「ごめん、持ち歩かない主義」
女「謝るところ違うのよ」
男「謝るところ誤る、といった方が楽しい?」
女「そんなに逆撫でるの楽しい!?」
男「別に。なら聞くけど、よく待ったね」
女「好きなのよ、あなたのこと」
男「何してたの」
女「近くのポテト・バーで時間つぶしてた。カクテル一巡しちゃったわよ」
男「えっ、一巡?」
女「そうよ。薩摩もジャガも里もコンニャクも紫も」
男「ひょっとして、、、、」
女「タロも、よ」
男「むちゃ贅沢じゃん」
女「美味しかったわよ」
男「じゃあ怒ってる場合じゃないよ。言うことは?」
女「ありがとう」
終
【Jazz A to B】
《Jesse Belvin(ジェシー・べルヴィン)》
〈It's All Right With Me〉
2枚のアルバムのうち、この曲が含まれている『Mr.Easy』の方がジャズ色が強いようだ。
この曲が含まれているアルバム『Mr.Easy』のアレンジは西海岸で最も多忙を究めたアレンジャー、マーティ・ペイチが手掛けている。
アルト・サックスは"憑いてる"プレイヤー、アート・ペッパーのもの。
〈In the Still of the Night〉
邦訳は「夜のしじまに」がいい。
「しじま」、は「静寂」の意味だそう。
ただ、曲のアレンジはアップテンポかつ賑やかでなかなか床につかせない。
ジェシーは、コール・ポーターの名曲を、洗練とコクのバランスをとって歌っている。
歌詞の最後の方、"still"を"chill"と取り換えているように聴こえる。
現代の「チル」ブームを先取りしつつもそれを無視するウォームな歌唱。
〈The Very Thought of You〉
ギターの弾き語りのようにロマンチックに始まる。
「あなただけのために歌います」とでもいいだけな。
私は落ちた。あなたは。