1.11.2016

no.249 隠すの隠さないの

たまたま関東圏のラジオJ−WAVEが耳に入った。

リスナーにアンケートをとる「J'S RESEARCH」というコーナーで、テーマは

《マフラーに似合うヘアアレンジといえば?》

だった。

結果は男女ともに「自然におろす」が第1位となって、へぇ「アレンジ」とは「手を加えない」も含めるんですねと目から鱗がこぼれつつ、でもそれって好きな味噌汁の具材を問われて八丁味噌と答えるようなもんじゃないのと目鯨も立てつつ、にもまして有効回答数が2,163という数字におののいた。
お忙しいなかよくぞお付き合いくださいました。

番組は続いて街の声を紹介するのだが、ほとんどの男性がアンケートそっちのけで「マフラーに顔をうずめている女子にキュンとくる」と回答。

やや隠れているほうが魅力的、と。

なるほど。冬のゲレンデにおけるそれであったり、その他心当たりのある紳士諸兄もおられるだろう。

世の中は広いもので「その手」のサイトも存在しているようだ。

【マフラーしまい髪研究所】



*  *  * 





「スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒」を観た。

全シリーズをオールナイト上映で観た(気がする)経験アリ、エピソード1か2を深夜の初回上映に並んで観た経験アリ、エピソード2と3を繋ぐ3DCGアニメ「クローンウォーズ」はあっちのアニメ映像にしっくりこなくて1話わずか5、6分で脱落、というファンになりたいミーハーを自認する私らしく公開からちょっと経ってから観た。

かっ!(瞳孔開きました)

「覚醒」とタイトルにもあるように登場人物はそれぞれ「内に隠し持つ《使命》《才能》《野心》《良心》」に直面し、自らを発見していく。

劇中の節々で「逃げるな。立ち向かいなさい」というメッセージが発しられるものだから、易きに流れる我が人生すら糾弾されているようで手に冷や汗握る。

スター・ウォーズといえば悪役のキャラ立ちが特徴。

で、上に挙げた画像がこのたびのシリーズで初めて登場することになった悪役「カイロレン」。

ダースベイダーを思い出させる漆黒のマスク、スーツで登場。

ゾクゾク、、!

マスクから漏れ出るのは機械音混じりの声。

ゾクゾク、、、!

十字形の赤いライトセーバー。

きたきたきた!

、、、あれっ。

マスク脱ぐの?

え、もう顔出しちゃうの?こっちの心の準備できてないよ。

ダースベイダーはエピソード4、5とひっぱってついぞ6で脱ぐときには、感涙必至のドラマを帯びてたよ。

長らくマスクであったからこそ、冷酷非道なふるまいに不気味さが増したのだし、顔色が伺えなかったからこそマスクの下の「悪のなかでゆらぐ良心」なんかをこちらが勝手に見出していたのであって。能面みたいに。

隠れてたほうが魅力的、に1票。

 *  *  * 

スター・ウォーズの魅力の1役を担うのが巨匠ジョン・ウィリアムズの音楽。

オープニングタイトルと共に鳴り響くメインテーマは、壮大なスペースオペラの世界に我々を速やかに導入し、期待を昂ぶらせる。

シリーズ中、強く私の心を捕らえるのはエピソード1で重要な戦闘シーンに流れていた《Duel of the Fate》。




ヴェルディの《レクイエム》「怒りの日」を彷彿とさせる苛烈な合唱付オーケストレーションに神話的崇高さを感じる。

『ジョーズ』『ジュラシックパーク』『シンドラーのリスト』『ハリーポッター』をはじめ多くのジョン・ウィリアムズの映画音楽は一聴してもう映画の何割かを観た気にさせてくれる。

おまけ。偉大な作曲家の 陰に隠れることはまったくなかろう、同姓同名のクラシック・ギタリスト、ジョン・ウィリアムズの音楽を。
静謐と豊饒を張らませるピュアな弦楽。




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